ジャズ・ギターが上手くなりたい——そう願って、教則本を開き、スケールを覚え、コピーを重ねる。
それは確かに大切なことです。
けれど、テクニックや知識をどれだけ積み上げても、なかなか先に進めないと感じる瞬間が、誰にでも訪れます。
そんなとき、上達の鍵を握っているのは「練習メニュー」そのものではないのかもしれません。
本当に大切なのは、あなたの音楽の傍らに「2人の人物」がいるかどうか。
今日はその2人について書いてみます。
1人目:憧れのミュージシャン
まず1人目は、あなたが心から憧れるミュージシャンです。
私淑できる存在がいるかどうかは、ジャズ・ギターの上達に驚くほど大きな影響を与えます。
その人の音を聴くと、いてもたってもいられなくなる。
ギターを手に取りたくてたまらなくなる。
気づけば、誰に言われたわけでもないのに何時間も弾いている——そんな衝動を呼び起こしてくれる存在のことです。
あなたには、そんなミュージシャンがいますか。
ジャズ・ギターの歴史を振り返れば、多くのギタリストがチャーリー・クリスチャンに憧れ、そのフレーズを夢中で追いかけました。
彼の流麗なシングルトーンに心を奪われた若者たちは、義務感ではなく、ただ「あの音が出したい」という一心でギターに向かったのです。
憧れは、最高の燃料になります。
「やらなければならない」練習を、「やりたくてたまらない」探求へと変えてくれる。
だからこそ、本当に夢中になれるミュージシャンと出会えたなら、あなたの上達のスピードは格段に上がっていくはずです。
まだその人に出会えていないなら、焦らず、たくさんの音楽を聴いてみてください。ジャンルの内外を問わず、心を揺さぶる演奏を探し続けること。それ自体が、もう立派な練習の一部なのですから。
2人目:自分自身
そしてもう1人。これは外の世界ではなく、あなた自身です。
練習をしているとき、あなたは自分の心の声をどこまで聞けているでしょうか。
「この練習がいいと聞いたから」「あの有名なギタリストがやっていたから」——そんな理由だけで、メニューをこなしていませんか。
決められたルーティンを淡々と消化するだけの日々になっていないでしょうか。
もちろん、人から学ぶことは大切です。
けれど、上達のためにもっとも重要なのは、最終的に「自分が自分の師であれるかどうか」だと思います。
世の中には練習法の情報が溢れています。
本も、動画も、無数のアドバイスも。
けれど、それらを探し求めるうちに、かえって情報に溺れ、疲弊してしまうことがあります。
もしあなたがそんな状態に陥っていると気づいたら、一度立ち止まってみてください。
そして、自分自身で練習を生み出してみるのです。
誰かが効用を保証してくれていなくても構いません。
理論的に正しいと証明されていなくてもいい。あなたが自分で勝手に編み出した方法で、まったく構わないのです。
大切なのは、自分の弱さと真正面から向き合うこと。
「自分は今、何ができていないのか」を正直に見つめ、その克服のための練習を自らの手で生み出し、そして実行し続けられるかどうか。
ここにこそ、本当の上達の分かれ道があります。
外から与えられたメニューは、いつか尽きます。けれど、自分自身を師とできる人は、生涯にわたって学び続けることができるのです。
おわりに
憧れのミュージシャンは、あなたに「向かうべき方向」を示してくれます。
そして自分自身という師は、「いま進むべき一歩」を見つけさせてくれます。
この2人がそろったとき、練習は義務ではなく、終わりのない楽しい探求へと変わっていくはずです。
あなたの傍らには、もうこの2人がいるでしょうか。
今回の記事は以上です。

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