ジョン・スコフィールドのソロ・ギターのライブに行ってきました!

雑記

コットンクラブでジョン・スコフィールドのライブを観てきました。
MCはほんの少しだけ。ギター1本で1時間半のステージ。たったそれだけで、観客を引き込んでしまう圧倒的な表現力に、ずっと惹きつけられっぱなしでした。ギターの持つ奥深さと、ライブならではの空気感に浸った夜の記録です。

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印象に残った曲

この日、特に心に残った演奏のひとつが「My Funny Valentine」でした。
カントリーのような温かいフィールにのって、どこかで聴いたようなメロディが流れてきて、「あれ、この曲、何だったっけ?」と考えながら聴き入っていました。
演奏後のMCで、それが「My Funny Valentine」だったと知って驚きました。これまでに聴いたどのバージョンとも違っていて、明るさの中に優しさがあり、とても素敵なアレンジでした。
(余談ですが、この思い出せそうで思い出せない現象は「舌先現象」というそうです。ちょうど直前に読んでいた本に出てきました。)

「Joy Spring」や「Body and Soul」も、さすがの演奏。そして、個人的にぐっときたのがビートルズの「Julia」。彼の音楽的ルーツが垣間見えた瞬間でもありました。


ルーパーで広がるソロ・ギターの世界

今回のステージ全体を通して特徴的だったのが、ルーパーの使い方。
コードやフレーズをその場で録音して重ねていくことで、ひとりでも豊かな音世界が広がります。私も、ソロ・ギターでステージに立ったことがあるんですが、今回のライブを観て「今度はルーパーを取り入れてみたい」と素直に思いました。

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ライブを観るたびに思うんですが、ジョン・スコのチョーキングが大好きです。ギター弾きたい!チョーキングの練習したい!という感じになります。笑


ジョンスコの弾き語り

意外だったのは、彼の“弾き語り”を聴けたこと。
「That Old Feeling」という曲の前、スコフィールドはこんなことを話してくれました。

「ルーパーばかりで飽きただろ?音楽には歌詞がある曲もある。でも、僕の歌はひどい。だから歌わないけど……歌詞だけは言うよ。」

そう言って始まった演奏は、歌と語りの間のような独特なものに聞こえました。
でもそれがすごくよかった。ギターの音と彼の語りが混ざり合って、どこか詩的で、とても良い時間でした。

一流ギタリストである彼が、「ギターだけじゃ飽きるかも」と思って、こういうアプローチをしてくれる。そういう気遣いやサービス精神に、しみじみと感動しました。


自分にとってのルーツとは

この日のライブを通して、ジョンスコの音楽的ルーツ――ブルースやカントリー、そしてビートルズ――がいろんな形でにじみ出ていました。
それを感じたとき、ふと考えてしまったんです。

自分が演奏するとしたら、どんな音が“自分のルーツ”を表してくれるだろう?
ただ上手に弾くとか、かっこよく演奏するとかではなく、聴く人に「ああ、この人の音楽だ」と伝わるような音。日本人として育ってきた自分にしか出せないものが、果たしてあるだろうか……と。

すぐに答えが出るような話ではないけれど、大切なテーマとして、心に残り続けそうです。


終演後の余韻、そしてコットンクラブについて

ライブ終盤、スタッフから時間を知らせる声が聞こえたようで、スコフィールドは静かにギターを置きました。
そのままステージを後にし、アンコールはありませんでした。けれど、観客からは名残惜しさというよりも、彼を労うような優しい拍手が自然と湧いていました。心地よい余韻が漂う、いい終わり方だったと思います。

そういえば、コットンクラブに来るのは本当に久しぶりでした。
以前は自由席の整理番号制だったのが、今は事前に席が決まる仕組みに変わっていて、これはありがたい変更でした。


まとめ

ジョンスコのライブ、最高でした。
ギター1本であれだけ多彩な世界を見せてくれるということ、そして観客を飽きさせない工夫を惜しまないその姿勢。なにより、自分のルーツにまっすぐ向き合って表現することの強さを、まざまざと見せつけられた夜でした。

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