初心者はどんなギターを買うべきなのか【1年以上ギターを続けられる人はわずか◯%】

雑記

新年になり、今年はギターに挑戦したいと思っている方もいるかもしれません。
しかし、いざギターを買おうと思っても、どんなギターを買うべきか迷うのではないでしょうか。
この記事では、初心者はどんなギターを買うべきなのかを考えてみました。
結論から言うと、「ギターを続けさせてくれるギター」を買うと良いと思います。
どういうことか詳しく見ていきたいと思います。

初心者がギター購入時に抱える2つのリスク

初心者の人がギターを購入するときに抱える2つのリスクがあります。
①金銭的リスク②挫折リスクです。

金銭的リスク

ギター購入に関連して発生する経済的な損失や無駄遣いの可能性

挫折リスク

ギターを購入した後に練習を続けられず、ギターを弾くことを諦めてしまう可能性

このうち、致命的なのは、圧倒的に挫折リスクの方です。
ギターを弾きたい気持ちはお金では買えません。
せっかくギターを買ったのに、断念してしまっては元も子もありません。

しかし、初心者の人は、これからギターを練習するわけですから、購入後にちゃんと練習しつづけられるのかは分からない状態です。

1年以上ギターを続けられる人はたったの◯%

ここで、残念な調査結果をお知らせします。
世界的に有名なギターメーカーのフェンダー社が行った調査によると、1年以内もしくは90日以内にギターを辞めてしまう人は全体の90%にものぼるそうです。
ギター初心者の挫折リスクは非常に高いというのが現実です。

老舗ギターブランド「フェンダー」が成長し続けている理由 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
70年以上愛されてきた老舗ギターブランド「フェンダー」が、業界初という大規模なデータ分析を実施した。ナイキやディズニーを経て、2015年からCEOに就任したアンディ・ムーニー氏。その緻密なデータ分析から導いた戦略とギターへの愛を、来日中にR

1年以内にギターを辞めてしまう90%もの人たちは、どんなギターを買った?

ここで気になることがあります。
1年以内にギターを辞めてしまう90%もの人たちは、どんなギターを買っていたのでしょうか?
フェンダー社では、「1年間に購入されるギターのうち、45%が初めてギターを買う人によって購入される」そうです。

フェンダー社で1年間のうちギターを購入する人の45%が初心者ということです。
この45%の人がどのようなギターを購入しているかについては、データを確認できませんでした。
ただ、これは推測に過ぎませんが、その多くが、入門者用のギターを購入していると考えるのが自然ではないでしょうか。
もし初心者が入門者用のギターを購入していないのだとすれば、中上級者が買うのでしょうか?
中上級者が好き好んで入門者用のギターを購入している例はあまり見聞きしません。恐らく入門者用のギターを購入しているのは初心者です。
入門者用のギターを弾くことが、挫折リスクを高める一因になっていると考えるのは不自然なことでしょうか?

金銭的リスクと断念リスクのマトリックス

ここで、金銭的リスクと断念リスクについて改めて考えてみましょう。
次の図をご覧ください。
2つのリスクをマトリックスにしてみました。

①金銭的リスク小×断念リスク小
金銭的リスク、断念リスクともに小さい。理想的なエリアです。

②金銭的リスク大×断念リスク小
金銭的リスクは大きいが、断念リスクが小さい。理想的とは言えないまでも、好ましいエリアです。
断念リスクが小さいため、一時的には多少割高な買い物になった場合も、長期でみればもとをとることも十分に可能です。

③金銭的リスク小×断念リスク大
金銭的リスクは小さいが、断念リスクが大きい。避けるべきエリアです。

④金銭的リスク大×断念リスク大
金銭的リスク、断念リスクともに大きい。避けるべきエリアです。

「ギターを続けさせてくれるギター」とは

冒頭に、初心者が買うべきギターについて、「ギターを続けさせてくれるギター」と述べました。
それは、「断念リスクの低いギター」です。
別の言い方をすれば「弾いていて楽しいギター」であり、「つい弾いてしまうギター」です。
そう、つまりそれは「良いギター」のことなのです。
「良いギター」の見極め方は後述します。

金銭的リスクについて

「入門者用の安価なギター=金銭的リスクが小さい」は正しい?

ここで、金銭的リスクについて見ていきたいと思います。
入門者用のギターは安価であることが多いですが、それをもって金銭的リスクが小さいと言えるのでしょうか?
具体例をもとに確認するため、以下の商品をご覧ください。

こちらは、Photogenicというブランドの入門セットです。
アンプやシールドなど、付属品もついて17,837円(税込)です(2025年1月現在)。

こちらは、同じくPhotogenicのギター本体です。
単体では14,990円のようです。

【衝撃】入門用ギターのリセールバリュー

ここで、入門者用のギターのリセールバリューを見てみましょう。
リセールバリュー(resale value)とは、一度購入した商品を再販売する際の価値を指します。

初心者用の安いギター買取について
初心者用の安いギターの買取について細かく解説しています。

こちらは楽器買取専門店のサイトです。
Photogenicをはじめ、一般的な初心者向けのギターのブランドが並んでいます。
美品と言える状態であったとしても、なんと500円になってしまうそうです。
美品でないものであれば、1円も値はつかず、無料での引取になります。

上記のPhotogenicを例にとり、価格の下落率を計算しましょう。
元の価格: 14,990円
中古価格: 500円

下落額: 14,990円 – 500円 = 14,490円

下落率の計算式:
下落率 = (下落額 ÷ 元の価格) × 100
(14,490 ÷ 14,990) × 100 = 96.67%

なんと、価格の下落率は脅威の約97%です。

「高価なギター=金銭的リスクが大きい」は正しい?

それでは、反対に高価なギターの金銭的リスクについて考えてみましょう。
価格の高さは、リスクの大きさに比例するのでしょうか?

一般にギターの値段は年々上がっています。
主な理由としては、原材料の高騰、中古市場の活況、ブランド価値の向上、需要の増加などです。
ギターのブランドやメーカーによっては、その希少性や人気から、価格が高騰することも珍しくありません。
貴重なギターになれば、購入時の倍以上の価格がつくこともあります。
そのため、近年ではギターは投資商品としても注目されているそうです。
良いギターは、楽器としてはもちろん、資産としての価値も注目されているのです。

金銭的リスクは挽回可能

多少割高な買い物をしてしまったとしても、ギターを弾き続けることができれば、長期でみればもとが取れます。
もちろん、ギターを続けることさえできれば、安かろうが高かろうが関係ないとも言えます。
ただし、恐らく入門者用の安価なギターを買っているであろう人々の多くが挫折している現実は、上述のとおりです。

目先の価格に惑わされることなく、「良いギター」を選ぶ

つまり、金銭的リスクを気にするのであれば、目先の価格に惑わされず、
そのギターが持つ真の価値を見極める必要があります。
ただし、初心者がギターを買うとき、自らの目と耳でそれを見極めるのは簡単ではありません。
そこで、初心者こそ有名ブランドのギターを買うと良いと思います。
自分の目と耳ではなく、信頼できるブランドや定評のあるメーカーを頼るのです。

いくらくらいのギターが良いのか?

ギターは年々値上がりしているため、流動的なところがありますが、
目安として、こちらの分類を参考にしたいと思います。
結論、7万円〜15万円のクラス、あるいは15万円〜30万円のクラスから有名なブランドを選ぶのが良いと思います。

【価格.com】エレキギター | 通販・価格比較・製品情報
エレキギターの通販サイトを探すなら、まずは価格.comをチェック!全国のネット通販ショップをまとめて検索。お目当ての商品が簡単に探せます。

中古ではなく、新品を買ったほうが良い

初めてのギター購入では、中古の商品はおすすめしません。
中古の場合は、前の持ち主の管理の状況によって、ギターの個体差が大きいためです。
せっかく有名なブランドのギターを購入しても、その個体差を見極められないばかりに「はずれ」をひいてしまう可能性があります。
そして、個体差を見極めることも、やはり初心者にとっては至難の業なのです。

中古の商品は、目利きのできるようになったギタリストでなければ手を出すべきではないというのが個人的な考えです。

挫折リスクについて

つづいては、挫折リスクについて考えたいと思います。
ギターに挫折する理由は様々だと思いますが、つまらないから辞めてしまうという人が多いのではないでしょうか。
もちろんギターの上達は一朝一夕とはいきません。
一定の継続的で地道な練習は避けて通れません。
ただ、練習自体が楽しければ、挫折には至らないのではないでしょうか。

弾きづらいギターは挫折しやすい

一般に以下のようなギターは、弾きづらいです。
・ネックが反っている
・弦高が高すぎる(低すぎる)
・チューニングが合わない、すぐずれる

また、以下のようなギターは、音楽的に楽しみづらいです

・アンプに通すと音が割れる、ノイズが発生する
・音が明らかにペラペラ
・ノブが故障している
・ジャックがじゃりつく

弾きづらいギターを弾くことは、上達にあたってはハンデになります。
また、音が悪い場合、演奏を楽しみづらいです。
安価なギターを購入する場合、生産上のコストカットの必要性から、上記に該当するような粗悪なギターを掴む可能性が高まってしまうのです。

挫折リスクを低減させるための工夫5選

一方、どのようなギターを弾くにせよ、自分でできる工夫もあります。
以下のような工夫をして、挫折リスクを少しでも低減させましょう。

①手の届きやすいところにギターを置く
毎回ケースにしまうのは、いまいちだと思います。
スタンドなどに立てかけて、思い立ったらすぐ手に取れる位置にギターを置くと良いと思います。

②弦を緩める場合は最小限に
ギターを弾かない時、弦をゆるめるかどうかは、ギタリストによっても考えが異なります。
もしも緩める場合は、最小限にすることで、次弾く時のチューニングが楽になります。

③定期的にメンテナンスに出す
定期的にメンテナンスに出し、弦高やネックの反りなど調整してもらいましょう。

④定期的に弦交換をする
弦を交換することで、フレッシュなサウンドで練習することで音楽的に楽しみやすくなります。
※意識的に弦交換しないサウンドを求めている場合を除きます。
また、弦交換せずに錆びた弦で弾き続けることは、ギターを痛める原因になります。

⑤ギターのモチベーションを高めるものに触れる
好きなミュージシャンの演奏を聞く、ライブに行く、何かの作品にふれるなど。人それぞれ様々な琴線があります。
自分のモチベーションを高めてくれるものを把握しておくようにしましょう。

ギターはどこで買うべきなのか

結論からいうと、ギターはECサイト(Amazon,楽天市場,サウンドハウス,楽器屋のサイト)で買うのがおすすめです。

買うべき場所で考えられる候補を見てみましょう。

楽器屋(店頭)

メリット①現物を見ることができる。
メリット②試奏できる
メリット③店員に色々と聞ける


デメリット①店舗の在庫状況に左右される
デメリット②店側の売りたい商品を勧められる
デメリット③店員との相性


楽器屋は、ギターの現物を見た感じ、持った感じ、弾いた感じなどの直感的な部分が最大限活かせる購入場所と言えます。
挫折リスクや、金銭的リスクなど見てきましたが、直感は大事です。
このギター、と思えるものを探すために、楽器屋に足繁く通うことはおすすめです。
もっとも、楽器屋では、在庫が限られていることも事実です。もっといいギターを出会えるはずだったのに、たまたまその日その店舗になかったから、という理由で出会いが失われるのも惜しいです。
また、店員に色々と聞くことが出来るメリットがある一方、デメリットもあります。
当然ながら店員によって、ギターに関する知識や、コミュニケーション能力に差があるため、店員との相性は確かめると良いと思います。

ECサイト(amazon,楽天市場など)

メリット①商品のラインナップが幅広い
メリット②最安の商品を探しやすい


デメリット①試奏できない
デメリット②個体差の問題

筆者はECサイトでの購入を勧めます。
理由は商品のラインナップが幅広く、さまざまなギターを見ることができるためです。
また、気になったギターを検索してみると、試奏動画なども豊富に出てきます。
自分自身で試奏できない、というデメリットも、そのギターが置いてある店舗に直接出向くことでカバーできます。
さらに、店舗とECサイトとでは、販売価格が数万円変わってくることも普通にあります
同じギターを買うのであれば、安く買えるほうが良いと思います。
その他のデメリットとして、ギターの個体差の問題があります。
ギターは木材を使用した楽器であり、その製造過程では熟練した職人の手によって一本一本が丁寧に作られます。使用される木材の種類や質、加工技術によって音色やプレイアビリティが大きく異なります。そのため、各ギターは独自の特性を持ち、まさに職人の作品としての価値があります。
もっとも、初心者のうちは、その点もあまり深く気にしなくていいのではないでしょうか。

オークションサイト、中古販売サイト(ヤフオクやメルカリなど)

メリット①思いがけぬ掘り出し物の可能性
※ただし目利きができないといけない

デメリット①当たり外れが大きい
デメリット②不良品をつかまされる可能性。

※業者と違って、適切な事後対応は受けられないと思ったほうがいい

オークションサイトなどは避けたほうが無難です。
理由は記載の通りですが、初心者のうちはリスクとリターンのバランスが悪いからです。
ギターについて、一定の知見を身に着けたのち、気が向いたら覗いてみる、くらいの温度感が良いと思います。

おすすめのギター

ジャズはもちろん、様々なジャンルの音楽に対応しやすく、かつ信頼のおけるメーカーから選んでみました。
参考までにご覧ください。

まとめ

それでは、この記事のまとめです。

まとめ

・初心者が1年以内にギターを挫折する確率は90%(フェンダー社の調査)
・初心者が買っているギターの多くは、初心者向け入門ギターの可能性が高い
・初心者がギター購入時に抱えるリスクは金銭的リスクと、挫折リスクの2つ
・金銭的リスクは挽回可能だが、挫折リスクは致命的
・挫折リスクは、自らの工夫でも低減可能
・「有名ブランド」の「7万〜30万円」のギターを「ECサイト」で買うのがおすすめ

ギターを買う時、自分にはこんなギターはもったいないと思うことがあるかもしれません。
でも、「良いギター」は弾き手を育ててくれると言います。
ぜひ1年後も楽しくギターを弾いていきましょう。

今回の記事は以上です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました